構造力学備忘録その1
構造力学備忘録その1
はじめに
お久しぶりです。むらっちです。
趣味の写真をベースにしたいと思っていましたが、写真はけっこう大変です。というのも、撮りに行く⇒撮る⇒編集する⇒ブログにのせる…工程が多い! 最近は忙しくてどこにも撮りに行けていません(ToT) 写真を待ってる方、秋まで待ってください…更新するんで💦
そこで、家でもできる(ついでにスキマ時間にも書き進められる)ネタを考えたときに浮かんだのが構造力学でした。解説系ですね! 説明下手と言われる自分ですが、できる限り続けていこうと思います。
ちなみに、うちの高専では建築構造力学は2年の後期から習います。1年の物理で取りこぼしがあると、モーメントのイメージとかができなくてめちゃくちゃ苦しい! 機械的に計算ができるのですが、解法の暗記に頼りすぎると序盤からつまずくこともありえます。「イメージで解く」ということが大事です。
このブログでは、僕の頭の中を言語化(できるか?)して、イメージで解くことをベースに、「キホンのキ」をゆっくり丁寧に書いていきます。
予定では、力学の基本(力とは?、用語の解説)から始めて、静定構造物を徐々に解説していきます!
力について
本題に入って行きましょう! はじめは中学生の理科みたいな話ですが、大事なとこなのでよく読んでくださいね♫
力の3要素
力を図示するときには矢印を用いることが多いです。矢印の始点(矢の部分のこともある)が作用点(力が働く点)、向きが力の方向、長さが力の大きさを表します。力のモーメント
モーメントは回転を起こす仕事量です。説明にレンチとかねじ回しとかがよく使われます。時計回りを正、反時計回りを負と定義します。
ちなみに式は「モーメント=力×垂直距離」です。例を見てみましょう。
この図では回転が時計回りなので正ですね。式を以下に示します。下付き文字はモーメントが働く点を示しています。ここではO点に働くモーメントという意味です。
$$\ M_{O}=p\times l$$
$$\ M_{O}=-p\times l$$
一般に単位はP[kN]、l[m]を用います。つまりモーメントの単位はM[kNm]ですね!
力の分解
斜め方向の力を水平成分(x成分)、垂直成分(y成分)に分けていきます。構造力学の問題を解くために必須の作業です。しっかり理解しましょう!
三角関数を使います。高専生なら1年の前期に習っているので分かりますよね??(煽ってないですヨ)
三角関数を使います。高専生なら1年の前期に習っているので分かりますよね??(煽ってないですヨ)
$$\ P_{x}=P\cos \theta$$ $$\ P_{y}=P\sin \theta$$
力の合成
複数の力を1つの力とみなすときの扱い方です。図では2つの力の合成を扱います。2力A、Bの合力Rを示しています。
上の図のように、2力の始点を合わせて張られる平行四辺形の対角線が合力になります。僕の通う学校の定期試験では合力を図示する問題も出ました。なお、合力Rの大きさは、A・Bのなす角によっては三角比で求められる場合もありますが、一般に以下の式で表せます。
$$\ \left| R\right| = \sqrt{\left( \Sigma x\right) ^{2}+\left( \Sigma
y\right) ^{2}}$$
Σはx・y成分をそれぞれ全て足すという広〜い意味で用いています。この式の形を見て、なにか分かりますか? 三平方の定理ですね!
図に戻ってみます。A・Bのx・y成分を分けて、ベクトルの足し算で示すと以下のようになります。
$$\ \begin{pmatrix} A_{x} \\ A_{y} \end{pmatrix}+\begin{pmatrix} B_{x}
\\ B_{y} \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} \Sigma x \\ \Sigma y
\end{pmatrix}= \begin{pmatrix} R_{x} \\ R_{y} \end{pmatrix}$$
このほうがわかり易いでしょうか? うちの学校の学生はこの書き方を1年の物理で叩き込まれます(笑) 各成分を行で分けて記述する方法です。構造力学でこの書き方はあまり見かけませんが、力学のキホンの分野では重宝します。
練習問題
ここで理解を確認しましょう! 難易度は低めに設定しています。ぜひ一度自力で解いてみてくださいね(電卓使用可)
問1
問1
説明の図とは違って、分解する方向が直行していませんでしたが、合成の逆をイメージして平行四辺形を描ければ簡単です。
上の図で分力を図示しています。分解したい矢印の先端から、分解する方向と平行に補助線を引いて平行四辺形を作ります。分力の作用線と補助線の交点まで分力を図示すればOKです。
大きさも求めていきましょう。
a方向の力について
直角二等辺三角形であることに気づけば一瞬です。下の力の大きさに等しいので10kN
b方向の力について
同じく直角二等辺三角形ですが、等しい2辺ではないですね!
三角比で$\sqrt{2}$倍してやりましょう。よって$10\sqrt{2}\fallingdotseq
14$kN
与えられた数値が10だったので、有効数字2桁としていいでしょう
問2
簡単すぎましたか?
図示については上のとおりです。2力によって張られる平行四辺形の対角線が合力Rです。
大きさも求めていきましょう。
$\overrightarrow{a}=\begin{pmatrix} -1 \\ 0
\end{pmatrix}$、$\overrightarrow{b}=\begin{pmatrix} 3\cos 30^{\circ } \\
3\sin 30^{\circ } \end{pmatrix}$を足して
$\overrightarrow{a}+\overrightarrow{b}=\begin{pmatrix} -1+3\cos
30^{\circ } \\ 0+3\sin 30^{\circ } \end{pmatrix}\fallingdotseq
\begin{pmatrix} 1.6 \\ 1.5 \end{pmatrix}$なので、
$\left| R\right| =\sqrt{1.6^{2}+1.5^{2}}\fallingdotseq
2.2$kNが答えとなります。
まとめ
この記事では構造力学の基礎となる力の合成・分解を解説しました。今回の内容は今後の内容を学ぶときに必ず必要になるところです。この記事を通して三角関数の扱いなども含めて思い出してもらえたら嬉しいです!
今後も不定期で更新していきます。頑張っていきましょう!
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